魚醤は、主に東南アジアの諸国で使われています。
国名 | 魚醤 |
中国 | 魚露(ユイルウ) |
タイ | ナムプラー |
ベトナム | ニョクマム |
フィリピン | パティス |
カンボジア | タクトレイ |
インドネシア | ケチャップイカン |
ラオス | ナムパー |
マレーシア | ブドゥ |
ミャンマー | ウガンピャーイー |
エスニック料理をはじめとする、アジア料理の文化が日本にも浸透してきたことから、ナンプラーやニョクマムといった魚醤を口にする機会も増えてきています。
アジア圏の魚醤は、一般的に簡素な製造工程により、大量に造られるものが多いため、魚特有の強い香り有し、塩分の高いものが多く、味や香りの面では好みが分かれます。
また、利用用途も限られたものになっています。
魚醤を広東語で「茄汁(ケーチャプ)」、福建語で「鮭汁(kechiap)」と言い、これがケチャップの語源だと言われてます。これがマレー半島に伝わって「kichap」または「kecap」と呼ばれ、更にこれがヨーロッパに伝わると、キノコ、トマト、クルミなどを原料として「catchup」または「catsup」と呼ばれました。
その後アメリカでトマトケチャップが普及し、現代のアメリカ英語では「ketchup」と表記するのが最も一般的となっています
古代ローマ帝国時代に、「ガルム」「リクァメン」と呼ばれる魚醤が存在していました。これらは、現在のトルコ、リビア、スペイン、南フランスなどで地域で工場生産されており、ポンペイの遺跡からはガルムの工場跡が見つかっています。
また、紀元前1世紀頃に書かれた美食家アピキウスの料理書の中には、世界最古の調味料として、魚醤の作り方や、魚醤を使ったレシピなどが記されています。
現在はイタリアのチェターラという町でコルトゥーラという魚醤が作られていますが、コラトゥーラ(=したたり落ちたもの)が語源と考えられ、現在使用されているアンチョビソースの原型といわれています。
またウスターソースの主原料は、ウスターシャ原産の魚醤とモルトビネガー(麦芽酢)、スパイスをあわせたものとして知られています。